BENQ LEDバックライト・フルHD液晶V2200Ecoの色調と調整

報告しそびれましたが、こちらに書いたように、先日購入したV2200Ecoですけど
少しまじめに調整してみました。
比較対照は、放送用として売られているIPS方式と思われる２３インチモニターSONY LMD-230Wです。
ＰＳ３(CECH-2000A)接続で、カラーバーを映して、調整した限り、
ガンマ２．２（標準は確か２．４）カラー設定を、
R 100 G 83 B 78
にしたところ、LMD-230Wに近い色調になりました。
個体差もあると思いますので、あくまで今回は、といったところで、考えて下さい。

コントラスト（グレースケール）等も、完璧です。但し、それでも某ＨＤ放送で白い衣装を着た人物を
映したものを見たら、ディテールの質感の表現力では、アナログ接続ながら放送用モニターの圧勝ですね。
価格が１桁以上違うのだから、当然な訳ですが・・・。単純にグレースケールでは無いところが面白いです。
恐らく、輝度信号の位相差の扱い（生かし方）によるものでしょうが、ネットで見ていると
良くIPSか、VAやTNか、そういう対象での比較をされてる方が多いのは、ご覧になった方が多いと思いますが、
やはり、現状の液晶の品質では、そういった事は、まず関係無いと思います。
液晶方式の差ではなく映像信号の処理そのものに依るものなのは、間違い有りません。
放送用と家庭用ブラウン管放送用モニター同士の比較でも同じ傾向なので。
一体、何が違うか説明すると趣旨が外れるので、ここらへんについては、また他の機会に。
ただ先日より放送されてるオリンピックの一面の雪景色なんかでは、今回のＬＥＤモニターの方が
質感があり、コントラストがクッキリしてるような事もありました。
ただ、その場合は選手の肌色のところがのっぺりしていたりする場合もあり、
こういった映像等は、中継機器など、今はデジタル化されてるとはいえ、複雑な経緯を辿ってくる
ものですから、どういった制作側の意図や、味付け、重点が置かれているかといった事もありますので、
結局は、前者を含め制作された映像ソフトとの相性といった程度の差でしかないのかもしれません。

話を元に戻しますが、今回V2200Ecoは、HDMI接続オンリーですけど、東芝RD-X8ですと自動設定の
状態では、YUV出力で、PS3だとsRGBもしくはRGBになるようです。
でも、同じ信号(あくまでTS信号のファイルです)を映すと、全く差は出ないようでした。
上記のカラー設定の状態も、そのまま接続を切り替えても反映されていました。
一番の違いは、青系統の色を映した時です。逆に言うと青や水色以外の色では、殆ど差が出ません。
カラーバーの青を映した時、冷陰極線管バックライト液晶ですと、水色っぽい、濁った感じの色ですが、
LEDバックライトでは、色の純度が高い、完全燃焼している時の炎の色に近いといった感じです。

これは、単なる高輝度青色LEDでも同じなのですが、通常の白色LEDの原理で、青色のLEDと
黄色い蛍光物質を組み合わせて、白色を作っているところから、赤系統の色が出にくいとか、情報量が少ない
そういった事が書かれているIT情報サイトや掲示板の投稿を見かけますが、
これは、あまり有益な情報とは思えない気がします。
確かに、色調整をしなければ、といった点はありますが、きちんと調整さえすれば、
問題無いように思います。
赤・青・緑の３色のLEDを組み合わせた、比較的高級なLEDバックライトの機種も存在する訳ですが、
そういったLEDバックライト液晶との差別化を付けたい、販売したいという目的がある人は、
そういう事を言いたがる気がしないでもありませんが。
色温度を故意に落としたり、変化させたりといった使い方をしない限りは、充分では無いかと感じます。

確かに上記の状態では、LEDバックライト、冷陰極管バックライト、どちらが本来の色か、
ＴＶ放送を見ているだけでは、はっきり判定出来る自信がありませんでした。
ＨＤＤレコーダーの中にあるソースで一番分かり易いのは、先日も書きましたが、年末の紅白で、
アニメの声優もされてる歌手の水樹奈々さんのシーンでステージの後ろ側のライトや、観客の持っている
ライトが、殆ど青一色というシーンがあったのですが、
当然、前面側から、スポットで白いライトも当たっているのですが、青だけ上記で書いたような色の差があり
肌色等は、そんなに差は無い状態です。

ところが、先程、手許のSONYのsRGB対応HDビデオカメラHDR-HC3で部屋の中を映した時に、
はっきり分かりました。明らかにLEDバックライトの機種の方が正確な色調なのです。
予想としては、LEDと冷陰極線管バックライトの中間ぐらいではないかと思っていたのですが違いました。
青系統の色の物、全体的な質感、透明感、何れもです。液晶の解像度の違いもあるのは確かなのですが、
解像感の差は感じないようです。23インチと21.5インチという事もあると思います。

また、ブログ掲載の為に、２台並べて撮影もしてみたのですが、その画像だけを見ると、
ＰＣ上では全く同じに見えるんですよね、勿論、別々に撮影したとかではありません。
目で見ると、あれだけの差があるのに、面白いです。
確かに供給している信号は同じなのですから、そうなって当然とも言えると思いますが、
という事は人間の目の能力の方が、24Bit、1677万色以上の色の差を見分けられるという事なのか、
それとも、画面を撮影しているCCD素子の能力なのか、どうにも不思議な感じです。

BENQ以外のLGやSAMSUNGからも新しいLEDバックライト液晶が出てきたようで、楽しみです。
それと比べ、国内メーカーの「液晶テレビ」は高価で、
チューナー非内蔵ディプレイが発売されないのは、相変わらずなのですが・・・。
結局のところは、相変わらず技術の出し惜しみなのかなぁ、だとしたら困ったものですが。