FONとISPの規約の違法性について

ISPが規約を盾にFONの利用を禁止しようとしている事について、
そもそも、インターネットの回線、帯域の利用を特定の個人、団体に制限する事自体が
間違っていると思われます。インターネットというものの成り立ちを考えると、
企業倫理的な面は当然ながら、法的にも規約が無効となる可能性が高いのではないでしょうか


というのは、例えば、あるユーザーがISPを経由してインターネットを利用している時点で
インターネット側ユーザーから、その人へのTCP/UDPとackパケット転送との方向性は両方向となる事もさることながら
ISP自体を含め「帯域」そのものを一個人・団体の占有物とは出来無いと考えられるからです。
それに丁度、昨日書きましたが、これらのプロバイダ各社は、
動画配信のハイブリッドP2Pや、Skypeなんかも、使うなって言うつもりでしょうか?


それが可能であれば、
例えばAプロバイダに加入しているA’という人に対し、他のISP上からB’という人がA’と通信するとします。
B’や、B’の加入しているプロバイダBが、Aや、プロバイダーA’に対して、
ウチ「B」の帯域を利用しているから、対価を支払えと請求する権利が生じる事になると考えられます。
これって、矛盾しているとは思いませんか?
A’−B’−C’
A’−C’−B’といった感じの方が分かりやすいかな、
上記の例だとB’がA−C間に、C’がA−B間に対して利用を制限出来る事になってしまいます。


帯域を制限するなんて事を言うのは、インターネットという組織の成り立ち・経緯・特性を全く分かってない
いい証拠です。こんな考えは、絶対まかり通ってはならないことです。
もし、そんな事が許されてしまうならばインターネットの可能性が大きく閉ざされてしまう事になるでしょう。
そんな事は絶対、有ってはならない事です。
以前、個人ユーザーが増えて、インターネットの帯域が足りなくなり、各研究機関・大学間の回線が
占有されて、研究・学術利用に支障をきたしたという事がありましたが、
電機メーカーや大学・公的研究機関等が構築していたJUNET、APRANETより発展した「インターネット」から
新参者のISPという団体への接続・帯域全てを締め出す事だって出来た筈です。
実際には、そんな事はせず、大学・研究機関間の回線を増強・優先順位を設定するという方法で
対応が取られたのは記憶に新しいところです。


要は何が言いたいかというと、ISPは「インターネット」を利用して金儲けしているのだから
もっと「インターネット」という組織に対して貢献しなさい、という事です。
そもそも、ISPというものが出来る以前より、インターネットは各団体が機器・回線敷設を
する代わりに、お互いを無償で利用するのが大前提だった筈です。

それを特定団体がインターネットというインフラを利用して金儲けするだけ(例えばコンテンツプロバイダ等)
という事自体が、変なのは以前から指摘している通りですが。
ISPという団体が出来るようになり、それはインターネットを利用して利益を得るという権利を生じたと同時に、
ネット構築に貢献するという責務も生じている筈です。
商業的な金銭上の利益を得ようとしているISP、コンテンツ提供者のインフラへのタダ乗りは、許されない行為です。
ISPユーザーがアクセスポイントを設置することを制限する権利なんか何処にもありません。


唯一?、FONの設置を公式に認めると同時に、同ISP利用者を対象に
3000台ものFON APを無償提供するBB exciteのキャンペーンは賞賛に値します。
他のプロバイダにも見習って欲しいところです。
http://bb.excite.co.jp/


先日、ISPぷららネットワークスに対して、winnyの利用を禁止しようとする行為に対して総務省から、
通信の守秘義務違反で警告が有りましたが、FONに関しても、トラフィックや内容を監視したり帯域を制限したりすれば
きっと、同様な事になるでしょう。


こちらの方が、各プロバイダに問い合わせた回答が掲載されています。
全く、馬鹿げた回答だと思います。是非、見てみて下さい。
http://d.hatena.ne.jp/blackjapan/20061206/FON