DrHEAD mini分解レポート

恒例の生産完了品レビューです(笑)単なる自己満足とも言いますが・・・。
キーデバイスは、メーカーサイトにもあるようにPhilips TDA1308が2個搭載されています。
割と評判が高いようです。普通の表面実装チップなので載せ替えは何とか出来る感じです。
他に、スイッチングレギュレーターと思われる1601Lというチップが載っていますが、
メーカーロゴを含め、見た覚えが無い気がします。何処かに詳細出てないものでしょうか?
Googleだと、同様な検索をしてる人が沢山いるのが分かります。
どれだけの部品が載っているかというと、


IC Philips TDA1308 (Op-Amp) *2
IC 1601L (switching regulator)
電解C 3
Chip C 12 (セラミック)
Chip C 5 (固体電解)
Chip R 28 (0Ω 3個を含む)
Chip Di 2 (chip + LED 何れも電源関係?)
Chip Tr 2 (刻印K1N RD)
Chip L 1
VR 1
と、57個以上のパーツが入っています。技術的にはクローンも作れるのですが
このサイズに作るのは、容易では無さそうです。


音質的には、本来の音量不足な環境に追加する用途では、お勧めの1台である事は確かです。
例えば、普段使っているポータブルオーディオプレーヤーでも、
十分なヘッドフォンのドライブ能力を持っていると思っていても、
このアンプを通すと、曲による音量差が大きくなり、
大音量の部分が、きちんと出きっていなかったという事が分かります。
逆に、静かな曲などの場合、入れても全くと言って良い程差が出ないものもありますけど
試す価値は十分に有りそうです。


ある意味、特定条件下で、入れて音質的に変わらないという事は理想でもありますので、
本来のヘッドフォンアンプとしての性能は十分なようです。
という事は、元々ヘッドフォンを鳴らすレベルの取れない、ライン出力端子に取り付けて
ヘッドフォンを鳴らすという目的については、まだ試して無いものの
十分期待が出来るのではないでしょうか。何れ、そちらについても試してみたいと思います。
ステレオミニジャック-RCAプラグの変換ケーブルを調達しなければ。


この製品にしても何故生産終了してしまったのか不思議です。
歩留まりとか、製造原価割れの問題だったりしたのかもしれませんが・・・。
他でも国産では、電池駆動のヘッドフォンアンプって皆無ですよね。何故でしょうか。


・・・と、ここまでは、ヘッドフォンをETYMOTIC RESEARCH ER-6で試してみました。
その後、SONY MDR-EX90SLに交換しましたが、ER-6より効率が良い為か、差は少ないように
思われましたけれども、(ER-6は効率が悪いんで、DrHEADどうこう以前に、
入れないと、まともな音量が出ない場合もあるので)
以前書いたかもしれませんが、最近の音源(J-POP)って、割とダイナミックレンジ抑え目で、
全体的に音量を上げてる感じがするのですが、20年程前の、今と比べてデジタル的に
加工してない原音忠実というか、加工できるような技術が無かった(?)頃の音源には
時折、秀逸なソフトがあるのですが、とあるアイドルのピアノソロバージョンを聴いたところ
DrHEAD miniを通して聞くと、おやっと思う程、低域が延びてバランス良く聞こえます。
ポータブルプレーヤー直接だと以前から、少し不自然(しいて言えばドンシャリというか)
音量も小さいと思っていた音源なんですけれど、これが一番違いがあるようです。
やはり、リニアリティは良いんでしょうね、これに関してはER-6と、EX-90SL何れを使っても
同じ効果がありました。これだけでもDrHEAD miniを入れた価値はあったかも。


ダイナミックレンジが広い+平均音量が小さい=アンプの微小電圧領域=リニアリティ悪め
の部分を使っていたせいで、ヘッドフォンとのインピーダンスマッチングが
余計に影響してたとか、そんな可能性はありそうな感じです。
DrHEADは入力インピーダンスが20KΩとかなので、プレーヤー本体のヘッドフォンアンプに
掛かる負荷が減って、プレーヤー出力回路部分に入っているC・R等の悪影響も減るのだと思う
(余談ですが、本来インピーダンスは、高くても低くても駄目で「合わせる」というのが、
基本原則ではありますが、一般論として、ヘッドフォン端子の所とか、出力と直列に
保護用に100Ωが入ってるとか、結構、回路的には、何処の機器も、いい加減なので、
単純に後段に接続する回路の入力インピーダンスを高くするというだけでも、
何かしらの効果がある気がします。)


という事は、POPS系より、音源を電気的に加工してないJazzというか、アコースティック系の方が、
効果が高いのかもしれません。
もっとも、DrHEADでないヘッドフォンアンプと一緒に使った事が無いので、DrHEADだから・・・
というよりは、ヘッドフォンアンプを入れた事自体の効果も含めてな訳ですが。


って事は、昨年末発売の、最新のミュージックプレーヤーとはいえ、
それでさえ自社のヘッドフォンさえ、ちゃんと鳴らせるぐらいのアンプも入ってない
って事になるのかもしれませんねぇ、まぁ比べたら分かる程度であって、
一般的には、十分な仕様だとは思うのですが、100%十分ではないという事のようです。