大手出版社、ブックオフ株を取得

講談社小学館集英社の3社や、印刷会社等が共同で、ブックオフの公開株式の30%弱を
取得する方向で動いているようです。
最初、このニュースを見た時、もっと敵対的な買収なのかと思ったのですが、
報道を見る限り、どうも、そういう訳でも無いようです。
上記出版社3社の共通点は、何れもコミック出版の大手である事、その事からも、
何らかの手段で、コミック関係の収益を、より多く回収する方法を考えてるのではないか
という憶測も飛び交っているようです。
当事者からは、流通網の活用や、現在の出版業界で言われている図書流通の問題点の改善を含め
多角的な面から、共存関係を探るようなコメントが流れているようですが、
実際どうかは、もう少し具体的になってみないと、何とも言えないでしょうね。
現在の再販売価格維持制度そのものが、出版業界にとってメリットなのか、デメリットなのかという
点を含め、既に出来つつある、ブックオフ以外でのアウトレット本の流通ネットワークにしても
数年内には、興味深い結果が出るのかもしれません。
出版しても人気が出ず、版元に返って来た新刊本が断裁される量というのは、かなりの割合だそうで
断裁以前に、折角良い本であっても、消費者の目に触れる事が無く消えてしまう本というのは
きっと少なくないんでしょうね。逆に人気がある本は、既に納入実績のある書店に回ってしまい
小規模経営の本屋には注文しても回らず、折角売れるものさえ、売れずに
経営を圧迫する悪循環が起きている事は周知の通りです。
コミック以外での活用としても、今までは保管場所の問題で、断裁せざるおえなかった、
新刊本の倉庫と考えれば、公開株式の30%は決して高くない投資額と考える事も出来るのかもしれません。


ちなみに今日現在のブックオフ時価総額は、約163億円です。30%という事は約50億ですね。
純粋な投資と考えても、悪くない業績なんですよね・・・。
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=3313.t
今回の、株式の取得割合が議決権の過半数とかではなく30%といったあたりからも、
ブックオフ側に警戒をさせない為なのか、本当に共存を前提としているのかは、
もうちょっと調べてみないと、何とも言い難い感じです。


個人的な推測では、特にコミック関係について、古書業界というか、はっきり言ってブックオフの存在が
出版不況と言われる中、新書の販売価格の下落を防いでいる面が多分にあるのではないかとさえ思っています。
というのも、新刊の人気コミックの買い取り価格は、それなりの価格となっており、
読んだ後、売る事を前提に、新刊を買う客層は、かなりの割合であるのではないかと思っています。
となると、ブックオフを弱体化させる事は、(コミック)出版業界にとっても、メリットがあるとは思えず
ブックオフという1つの系列として書籍を扱うチェーン店、販売網として考えると
決して軽視出来る情況ではなく、新たな流通網として本気に活用を考えてるとしても
そう不自然な事では無いようにも思えます。


逆な面から考えれば、新刊の価格を下げる事により、コミックの新書流通を増やす等も考えられる訳で
最適な流通形態を探ったり、実際いろいろな方法を考えてるのかもしれません。