SSDの選び方

以前、LOOX UのHDDを1.8インチSSDに交換しようと色々調べていた時から、ずっと疑問に
思っていたのですが先日、雑誌の特集記事を読んで、プチフリの起こる基準というものが
割と簡単に判別できる事が分かりました。
いままでは、ずっとシーケンシャルアクセス性能と、ランダムアクセス速度だけで判断できるものだと
ばかり思っていたのですが、どうも本来SSDには無いと思っていた、HDDで言うところの回転待ち時間に
相当する時間、アクセスコマンドをPC側から送って、コマンド終了のResultが帰ってくるまでの時間が
HDDに比べても桁違いに長い機種があり、そういったSSDは、プリフリが起こったり、ファイルコピー
に異常に時間が掛かるようです。これはSSDだけでなくUSBメモリーや、速度の遅いHDD等にも言える事で
使い方や、PC上のストレージデバイスに対するキャッシュが適切に行われていれば、改善できるようです。


その問題となるレスポンスタイムの測定には、iometerというフリーソフトが利用可能です。
http://sourceforge.net/projects/iometer/
評価する場合には、著名なCrystalDiskMarkや、HDBENCH等と併用すると良さそうです。


上記の雑誌記事の比較によると、今年始めの頃、出回っていた、WD製の10000rpmの高速なSATA HDDと
Intel X25や、プチフリの発生しない事で有名なMTRON、当時出回り始めたPhoto Fast GMONSTER V2
PQI S525、そしてプチフリで有名なJMF602を採用する大多数の安価なSSDを比較した場合、
レスポンスタイムの平均値で言うと、HDDの数値と比べ、MTRONが1/4程度、INTELが1/50程度なのに対し
それ以外の物は何れもHDDのほぼ6倍程度であり、
最悪値で比べた場合は、HDDの平均値と最悪値の比率自体が5倍程度、MTRONがHDDの1.5倍、INTELが3倍
JMF602を並列(2個)動作させ性能を改善させているGMONSTERや、INTEL製メモリー+JMF602PQI S525が13倍、
そして、それ以外のJMF602採用のSSDは、30倍という桁違いに多い時間が掛かっており、
プチフリの発生しやすいであろう事が想像出来ます。
iometerは測定のパラメーター(ディスクアクセスの種類の実際起こる比率)を変更できるそうで、
この場合、INTELの提供したパラメーターを基準としているようなので、
上記の結果から、その点は差し引いて考えた方が良いと思いますが、
レスポンスの平均値と最悪値の差がどうしてあるかというと、ファイルの転送速度や、SSDのブロックサイズ
(一番効率的に書き込める1度の転送量)と、実際ファイル転送に掛かる時間の比率の違いが
レスポンスタイムの差になるようです。
つまり、例えば1KByteで100回書き込む場合の、ファイル転送に掛かる時間と、その100回分
待つ時間と、100KByteで1回書き込み完了のResultを待つ時間それぞれから、100KByteの
ファイル転送に掛かる時間を差し引いたものというか、そんな感じだと思います。


これからは、INTELMTRON等と遜色が無い、廉価なデバイスも出てのだろうと思いますが、
なかなか同じ判断基準で比較しているサイトを探すのが大変なので、結局はその時点で
いろいろ探す事になりそうです。
トランセントやOCZ等からも、最近立て続けに、SSD内部に大容量のDRAMキャッシュメモリを搭載して
速度を改善して、なおかつ比較的安価なSSD25Dシリーズ(Transcend)や、Vertex Turbo(OCZ)という
SSDが出始めているので、これからは、廉価なSSDの主流は、こういったタイプになりそうですね。
こういったSSDには、JMF602等で使われているキャッシュ領域(32KByte)に比べ、
桁違いに大きい64MB程度のキャッシュが載っているようです。

何れも、30GByteで、1万円台前半ぐらいなようです。
昨日入手した、JMF602採用のSILICON POWER SP032GBSSD650S25なんか同じ32Gbyteでもって
半額ぐらいなのですが(買ったのは中古なので更に半額でしたが・・・。)
性能を考えると、ちょっと奮発して、最初から本番の換装用に買っても良かったかなとも思います。
INTELからも34nmの新型デバイス採用機種が出るようですが、MLCなので、あまり集積率が高いと
長期保存性能とか、書き換え回数なんかどうなんでしょうね。大丈夫だとはおもいますけど。


JMF602を採用したSSDでも、今年3月に公開されたFlashPointというフリーソフトを利用すると、
プチフリの発生や、アクセス速度が大幅に改善されるようです。
FlashPointは何か名称が既に登録商標で存在したらしく、現在は公開が停止されていますので
公開再開されるのが待ち遠しいですね。
PCのメインメモリー上に32MBのバッファメモリを用意する事によって、SSD自体のレスポンスを
待つ前にOSに書き込み完了のResultを返して、待ち時間に書き込んでいるのだと思います。
OS側は、ディスクアクセスの割り込みベクターをフックしているのでしょう。
当然、遅延書き込みキャッシュ的なものになるのでしょうから、ファイル移動を行う場合は
気をつけないと、書き込み中にハングったりすると、ほぼ100%ファイルを壊しますので、
馴れてない人は気を付けた方が良いと思います。以前、何度も痛い目に遭いましたから・・・。
Windows7SSD対応との事なので、ここらへん対策が取られていて、どんなSSD使っても
あまり差が無く快適に使えるようになったりするのかもしれませんが、だとすれば嬉しいですね。
韓国製のUMPC UMID製M1 mbookの元々入ってた韓国語版Windows XPを日本語版にしたら
プチフリが発生するようになったとか、そういった書き込みも以前見たので、XP+廉価SSDでも
レジストリのキャッシュに関する項目変えたり、何か方法はあるのだと思いますが。


iometerと同様な、プチフリ判別ツールはい幾つかあるようです。iometerで検索したら
この手の情報が、ようやっと沢山見つかるようになりました・・・。
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=iometer+%E3%83%97%E3%83%81%E3%83%95%E3%83%AA&lr=