仕分け作業と、スーパーコンピューター開発予算

最初に書きますが、あまりにも特別扱いがされてるようなので一言、自分の考えを書きたいと思います。
個人的には、50年続いてきた、ノイマン型コンピューターの開発に、これ以上公費からの補助が
必要なのかは、ちょっと疑問に思います。他の分野で言えば、言葉の通り、スーパーカーや、F1カー、
ハイエンドオーディオを求めるようなもの。その何れもが、とっくの昔に衰退している事を考えると
根本的なアーキテクチャアルゴリズムを見直さないで、このままスピード競争をして、
長期的に何かの意味があるとは、考えにくいのです。


対費用的にも、既に国内では富士通以外の企業は撤退してしまっているそうで、
そもそも、採算の取れないような事、つまり売れない、国家プロジェクト以外に、利用価値の無い研究を、
このまま続けても意味があるのでしょうか。
本当に価値のある研究であるならば、もっと利用目的があるべきです。
地球シミュレーター等も、気象庁の天気予報で使われているという話を聞くぐらいで、
他に具体的な話を耳にした事がありません。という事は、複雑な計算をする必要がある研究分野でも、
そこまでの高速性が、必ずしも必要な研究というのは、思っている程には無いのかもしれません。


ニュース番組のインタビューで、何処かの研究者か何かの人が、この分野は1位を取らなければ
意味が無いという発言をしていましたが、本当にそうでしょうか。
単に研究者、関係者の自己満足に終わっていないか、ちょっと疑問に感じてしまいました。
速度が30位でも、利用料金・開発費用が1位のコンピューターと同じ事をして半分だったら
それで十分目的は果たせるのではないでしょうか。


簡単に言ってしまうと、新しいネット銀行や、Google等が、高価なメインフレームでなく
安価なパソコンを複数台利用して、同等な処理を行っている事や、
PS3Folding@homeや、SETI@Homeを動かしているようなものです。
例えば、おそらくは定時の終業で、夜間使われていないであろう、官庁や、役所等にある数千台、数万台の
コンピューターを使って気象の計算をするとか、そういった事も考えても良いのではないでしょうか。


同じ、スーパーコンピューターと言っても、個人的には、もっと違った、アプローチの開発分野に、
費用を割り振って欲しいと考えています。例えば、最近めっきり話題とならなくなってしまった、
人工知能的な開発分野等です。現在のパソコンや携帯電話、IT家電に代表されるようなノイマン
コンピューターは、予め決まった事柄の繰り返しや、膨大な計算の手助けにはなりえますが、
それも、計算手順は人間がいちいち入力してやらないとなりません。
現在でも既に、ソフトウェアのバグによる問題が多発している現状を見ていると、
今のまま、いくら速度を早くしても100年どころか、数十年とは続くものでは無いと思えます。


現在のスーパーコンピューターの高速化を目指すのも、立派な研究だとは思いますが、
このまま公的資金に頼っていても良いものなのでしょうか?
ここ最近、あまり関心を持って、この分野を見ていなかったので、現状については
詳しくは知らないのですが、例えば東芝SONYで作った、POWER PCアーキテクチャを元にした
CELLプロセッサ等のようなものと比べても、どうなのでしょうか。
地球シミュレーターも、数年経った今現在では世界30位以下と言われていますが、
1位との性能差がどの程度あるのか、また研究開発費に、それぞれ、どの程度の予算が掛かったのかなど、
きちんと考察するべきではないかと思います。